監査役とは?
多くの人々から出資金を募って会社経営を行うのが“株式会社”という会社形態です。
この場合、出資金を出してくれた出資者は、自分の出したお金が日頃どのように使用されているのかを正確に知る事は出来ません。
こういった事態をそのまま放置しておけば、当然出資者の間で不満や不信感が募り、やがては大きなトラブルへと発展して行ってしまう可能性が生まれてしまいます。
そういった事態を回避するために商法が設けている制度が、『監査役』と呼ばれる制度なのです。
この監査役とは、会社の資産の安全や株主の利益を守るために会社を監視する役目を帯びた人間の事です。
この監査役が、株主総会において、株主達に会社の経営状態を責任を持って報告するのです。
会計監査と業務監査
監査役が行なう会社の監視活動は2通りあって、それらは「会計監査」と「業務監査」という名称で呼ばれています。
この2つがどういったものなのかを説明すると、まず「会計監査」とは、その会社の決算報告書の中身が正しく適正であるかを監査する役職の事です。
その会社の損益や資金の使い方に対して目を光らせているのが「会計監査」です。
次に「業務監査」ですが、これは文字通り、会社の業務の有り方を監視し、不適切行動を発見した時には、訴訟の提起なども含めて注意勧告し、適正な業務活動に修正させるための働きかけを行う役割を担っています。
税理士は監査役を兼任できるの?
「会計監査」と「業務監査」のどちらも会社を上手く経営させていくためには重要な仕事です。
この監査役という仕事には私情をはさまず、ドライに現実を見極めて問題を提起出来る人間が適任なため、社内の人間が監査役に就任する事は出来ません。
では、外部の人間である顧問税理士はこの監査役を行う事は出来るのでしょうか?
答えは「いいえ」です。
商法276条において、“顧問税理士は監査役を兼ねる事は出来ない”という風に解釈出来る条文があるため、顧問税理士の監査役兼任は法律違反となってしまいます。
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この記事の監修者
税理士 佐藤 修(サトウ オサム)
社会保険労務士、ファイナンシャル・プランニング技能士
経歴
税理士事務所で働きながら学んできた知識や経験を活かし、税理士専門
お役立ちコラムの運用を行う。