新型コロナウイルス感染拡大の影響によって、経営を続けていくことが難しくなってしまう事業者もいるのではないでしょうか。
そこで兵庫県ならびに神戸市は、危機的状況を打破すべく事業者向け融資を用意しました。
中には無利子・無担保という好条件の融資もありますので、詳しくご紹介していきましょう。
独自資金融資制度とは?
2020年4月20日、兵庫県の発表によると 2020年度補正予算案にて「無利子・無担保融資」の関連費用が計上されました。
これは新型コロナウイルスの感染拡大による緊急経済対策の一種であり、経営不振などの影響を受けた中小企業を支援する目的で展開されています。
また、神戸市内でも神戸市独自資金として小規模事業者を対象とした各種融資が展開されています。
無利子・無担保融資のほか、無保証人の融資もあるため、融資対象者にあてはまる場合申請を検討してみましょう。
融資制度の詳細について
無利子・無担保融資は、保証料無料で利用できる融資制度です。
限度額は3000万円。
融資期間は10年であり、3年は無利子、5年は元本返済を据え置くと定められています。
無利子・無担保融資を利用する際には政府系金融機関を使う必要がありましたが、兵庫県の融資制度ではこうした条件に限らず民間金融機関で利用可能です。
現在利用している制度融資から借り換えることもできることから、より効果的な資金運用が実現しやすくなるでしょう。
こちらの融資の対象となるのは、過去一ヶ月において売り上げが前年同期比5%以上減少している個人事業主、そして115%以上減少している中小企業です。
融資の申請方法は?
融資の申請にあたっては、必要書類をそろえて提出しなければいけません。
個人事業主の場合、借入申込書、売り上げを証明する申告書、最近の確定申告書(青色申告決算書や収支内訳書も含めて)を用意してください。
その上で、どのような事業内容なのか説明するための申告書と、個人情報を証明する運転免許証も提出します。
酒類を扱う店舗や飲食店のように、自治体から各種許可証をもらっている事業所であれば許認可証のコピーも用意してください。
法人の場合にも、借入申込書、売り上げを証明する申告書、最近の確定申告書や決算書、事業の申告書、運転免許証、許認可証のコピーなどが必要になります。
さらに、法人の履歴事項全部証明書(もしくは登記簿謄本)も忘れずに用意してください。
詳細は適宜変化する可能性もあるため、自治体に問い合わせた上で利用することをおすすめします。
神戸市で受けられるそのほかの融資
このほかにも、中小企業者や個人事業主を対象としたさまざまな融資が用意されていますので、必要に応じて利用を検討しましょう。
例えば「こうべ小規模」、「こうべ無担保」、「こうべおうえん」は、小規模零細企業の資金調達に役立つ融資として展開されています。
「こうべ小規模」は神戸市内に事業所を構え、市民税を滞納せず事業を展開している従業員の数が20人以下の企業が対象者となります。
(ただし従業員数については、商業やサービス業の場合は5人以下となります)
限度額は400万円、利率は固定利率で年1.40%、融資期間は7年以内で、そのうち1年以内は据え置きとなります。
「こうべ無担保」は、市民税を滞納しておらず、また神戸市内で1年以上事業を営んでいる人が対象となります。
さらに従業員の数が20人(商業、サービス業は5人)以下である、保証協会の保証残高が2,000万円以内である、融資を申し込む以前1年のあいだで納期が到来した税額があり、きちんと完納しているといった条件も満たしている必要があります。
限度額は400万円、利率は固定利率で年1.20%、融資期間は7年以内で、そのうち1年以内は据え置きとなります。
「こうべおうえん」も同様に、神戸市に事業所を構え、市民税を滞納せず、従業員の数が20人(商業、サービス業は5人)以下という条件を満たしている必要があります。
そして「こうべおうえん」の場合は、保証協会の保証残高が2,000万円以内という条件もあります。
こちらも限度額400万円、利率は固定利率で年1.20%、融資期間は7年以内で、そのうち1年以内は据え置きになります。
今回ピックアップした融資のほかにも「こうべ若者支援」、「こうべ挑戦企業支援貸付」といった融資もありますので条件を確認しながら利用しましょう。
どの融資でも、借入申込書や申告書の提出が求められるため、正しく記載して提出してください。
まとめ
今回ご紹介したように、神戸市に事業所を保有している事業主なら利用できる便利な融資は、さまざまな種類があります。
一方で、きちんとした決算書の提出や申告が必要になることから、ハードルが高いと感じてしまう人もいるでしょう。
トラブルを招かないためには、今後のことも考えきちんと税理士に依頼し、経理や決算関係の書類を作成するとともに問題なく申告しましょう。
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この記事の監修者
税理士 佐藤 修(サトウ オサム)
社会保険労務士、ファイナンシャル・プランニング技能士
経歴
税理士事務所で働きながら学んできた知識や経験を活かし、税理士専門
お役立ちコラムの運用を行う。